石垣島の星空について

~石垣島の星空が凄いワケ~


その1☆地理的な理由

八重山諸島のひとつである石垣島は、西表島に次いで2番目の面積を持っていて、約222㎢と小さな島ではありますが、八重山諸島の中では、1番の商業地です。さらに、周囲は海に囲まれ、かつ、大きな街が無いため、街明りが少なく星空を見るにはベストな環境です。また、北緯24度に位置しているため、南半球の星々も見ることができます。

・全天88星座あるうち、84星座を見ることができる。(一部のみ観測できるものも含む)
・21個の全ての1等星を見ることができる。
・偏西風(ジェット気流)の影響を受けないので、上空の大気が安定していて、星が瞬かずにクリアな輝きで見ることができる。
・夏の晴天率が良く、天の川もくっきりと美しく見ることができる。
・南半球の星座、南十字星など、南天の星々も見ることができる。(南十字星観測可能期間・・・12月下旬~6月中旬。見頃・・・5月~6月中旬。)

その2☆日本初となる、「星空保護区」に認定

2018年3月に日本で初めて、国際ダークスカイ協会より「星空保護区」の認定を受けました。この度、認定を受けたエリアは、石垣市、竹富町にまたがる西表石垣国立公園のエリアで(陸域のみ)、星空保護区カテゴリの一つである、「ダークスカイ・パーク」に認定されました。アジアの中でも2番目の認定で、国内外からも注目を浴びつつあります。

※「星空保護区」の認定は、現段階で暫定認定となっています。「星空保護区認定制度」の審査基準により、改修に必要な屋外照明があるため。
※「星空保護区」とは、国際ダークスカイ協会(IDA)独自の認定制度により、認定を受けた場所のことを言う。
「星空保護区認定制度」について詳しくはこちらから[国際ダークスカイ協会 東京支部(IDA東京)ウェブサイト]

その3☆天文施設の充実

【VERA 石垣島観測局】

VERAは石垣島で2002年5月に完成しました。石垣島の他に、岩手県・水沢、東京都・小笠原諸島、鹿児島県・入来にもあり、石垣島を含む4ヶ所を組み合わせることで直径2,300kmの望遠鏡と同じ性能で観測を行っています。この観測を行うことによって、私たちの住む「天の川銀河」の立体地図を作るプロジェクトを行っています。

場所:石垣市登野城嵩田2389-1
※VERAとは、「VLBI Exploration of Radio Astrometry」の略で、VLBIという電波干渉計の技術で観測を行っている。

【石垣島天文台


写真:石垣島天文台HPより

石垣島天文台は、国立天文台の施設で、九州・沖縄では最大口径105cmの望遠鏡を備えている。太陽系天体の観測や施設見学・4D2Uシアター・天体観望会など、天文学の普及活動を行っています。
※口径105cmの望遠鏡には、「むりかぶし」という八重山で大事にされている星の名前が名付けられており、市民に広く親しまれています。

場所:石垣市新川1024-1
開館時間:10:00~17:00 (入館は16:30まで)
休館日:月火(祝日開館/翌日休)
4D2U上映時間:15:00~15:30
天体観望会:土日、祝日の夜
※4D2U、天体観望会は要予約。

その4☆星文化の根付く八重山の島々

~八重山の星に関する民話~

八重山では昔から星と共に暮らしていた文化があったため、星にまつわる民話や民謡などが各島々に残っています。

【各島々の代表的な民話】
・石垣島…「北斗七星は八つ星」 ・竹富島…「北極星は母子星」
・小浜島…「雷石を山から転がすわけ」 ・黒島…「パイガ星はめおと星」
・波照間島…「赤ら顔のおじいさん星」

~八重山に残る星文化~

←石垣島の星見石
八重山地域では、琉球王朝時代から明治の初めまで、星見石を
使って、むりかぶし(すばる)を観測し、農作物の種まき時期
を知る目安にしていた。

あだんの葉でつくる星ころ→
指ではさみ、息を吹きかけ、くるくると回して遊ぶ。

~八重山の代表的な星の民謡~ ♪むりかぶしユンタ♪

むぬ話(はなすぃ) いじ聞(すい)かさい ウー
むとぅ話(はなすぃ) いじ聞(すい)かさい ウー
①北斗(にしぃ)七星(ななつぃ)どぅョ 島(すぃま)うたいで いじょうたら
んぱでいずたる ゆやんどぅョ 北(にしぃ)ぬ方(ふぁ)に ふんうとぅし
②南(はい)か星(ぶしぃ) 星(ふしぃ)どぅョ 島(すぃま)うたいで いじょうたら
んぱでいずだる つぃにゃんどぅョ 南(はい)ぬ方(ふぁ)に ふんうとぅし
③むりか星(ぶしぃ) 星(ふしぃ)どぅョ 島(すぃま)うたいで いじょうたら
うふで受(う)きだる ゆやんどぅョ 島(すぃま)ぬ上(うい)から 通(とぅ)しょうるョ
むぬ作(つぃく)る しょうらばョ むりか星(ぶしぃ)ゆ 目当(みあてぃ)し